










「おじさんの手、気持ち良い…」その声は、恥ずかしさと戸惑いの奥から、ぽつりと漏れた。
けれどその響きは、まるで本当の気持ちに、彼女自身が気づいた瞬間のようだった──黒髪ロングに白い肌、愛嬌のある笑顔が印象的な美容師のたまご。
専門学校を出てからは毎日ハサミと格闘する忙しい日々を送っていて、こうしてカフェに来るのも久々だという。
恋人はいない。
SEXは2年ぶり。
だが、そのブランクがかえって彼女の心とカラダを繊細にしていた。
胸元に指が触れたときの反応は、嘘がつけない。
服の上から揉まれるだけで息が漏れ、脚が揺れる。
カメラで撮られているという意識が、彼女を少しずつ変えていく。
「見られるの、好きかも知れないです…」ぽつりと落としたその言葉に、自分自身でも驚いているようだった。
それは羞恥心ではなく、自分でも知らなかった快感への入口だった。
耳を舐められたとき、体を震わせながら声を上げる。
キスをすれば、うっとりと瞳がとろんと溶けていく。
指が奥に触れると、ぬるんと受け入れて、腰がついてくる。
恍惚とした表情で、初めてだという潮を吹きながら彼女は小さく呟いた。
「おじさんの手、気持ち良い…」